設立趣意

日本一の島数(971島)と、北海道に次ぐ海岸線総延長を有する我が長崎県は、海の幸をはじめとする美味しい天然資源の宝庫です。また、長い鎖国時代にも唯一世界との交易が開かれていた長崎には「和・華・蘭」と呼ばれる異文化交流によって磨かれた様々な美味しい料理があり、今に伝えられております。

そんな中、古く大陸に源を発し対馬の地で先人たちに育まれた「対馬地鶏」。特定JASで国に認められた在来種でありながら、卵を良く産み、肉も旨いという有用な形質を持つことが知られており、古くは、朝鮮通信使のおもてなしに用いられたとの伝承もあります。現在はその原種が長崎県農林技術開発センター畜産研究部門(島原市有明町)に僅かな羽数が保持されているという状況です(遺伝子保護の為、ごく一部県外の研究機関にも飼育されています)。

「対馬地鶏」は、美しい光沢のある赤褐色の羽毛に覆われ、首には顎鬚状の羽毛を生やした珍しい外貌だけでなく、遺伝的特性では他の在来種・日本鶏とかけはなれている事が明らかになっており、更なる調査によって生産される卵や鶏肉からは特長ある成分や形質が見つかる可能性が期待されています。

我が長崎県が誇るこの貴重な遺伝資源である「対馬地鶏」。私達はここに協議会を設立し、本原種から作出した肉用・卵用の実用鶏をもとに鶏肉及び鶏卵の生産・商品開発・流通・販売にわたり幅広く振興を推進して参ります。